TikTokを運営する、世界最大のユニコーン企業の強み



NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「AMERICAN EXPRESS TikTok PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。今週は「ベンチャー起業家WEEK」として、起業家が選ぶ経営者が読むべきニュースをお届けします。
6日は、SmartDrive 代表の北川 烈(きたがわ・れつ)さんに出演いただき、「TikTokのByteDanceが世界最大のスタートアップに」(TechCrunch Japan)について伺いました。

評価額世界一の理由
サッシャ 本日のテーマは、中高生の間で大人気の「TikTok」を運営しているByteDanceの評価額が、Uberを抜いて世界最大となった、という記事です。
評価額750億ドルとのことですが、この額は妥当なのでしょうか?
北川 妥当な金額だと思います。というのも、TikTokで有名なByteDanceですが、もとは中国の人気ニュースアプリをやっていた会社なんですよ。
TikTokのターゲットは中高生ですが、彼らよりも少し年齢が上の方に向けて、これまでも様々なメディア展開をしていました。その当時から持っていた「精度の高いレコメンド技術」を、TikTokに転用しています。
TikTokでも、一人ひとりのユーザーに合わせた動画が自動的に選ばれて、連続再生されるようになっているんですね。このレコメンドの技術は、動画以外にも使えるものなので、将来的には「より自然なかたちで広告を挿入すること」なども可能になるでしょう。
応用範囲の広い技術を持っているので、うまくすればFacebookやGoogleに次ぐ会社に成長する可能性があります。そういった将来性を加味すれば、評価額750億ドルは妥当な金額だと思いました。
寺岡 現在、日本でも流行っているTiktokですが、この人気は世界的なものなのでしょうか?
北川 私が代表を務めるスマートドライブは、ByteDanceと同じく、深センにもオフィスを持っています。その拠点からいろいろな国へ出張に行った中で「TikTokは中国のみならず様々な国に広まっているな」という実感がありますね。
Tiktokの強み
サッシャ TikTokがこれだけ爆発的にヒットした理由はどこにあるとお考えですか?
北川 「おしゃれな動画を簡単に撮れる手軽さ」が大きかったのではと分析しています。
10秒や20秒でちょっとおしゃれなものが作れる。その手軽さがあるから「どんどん動画を作ってアップしよう」という気持ちが生まれるのではないでしょうか。
加えて、先ほど述べたように「精度の高いレコメンド技術」がありますから、作った動画コンテンツはしっかりと「その動画を観たいと思うユーザー」のところに配信されるわけです。
すると、どんどん「いいね」が付いて評価されるから、新たなコンテンツをアップするのがおもしろくなり、さらに新しい動画を作りたくなる……こういった良いサイクルが回っているのだと思います。
サッシャ SNSでは自分の投稿に「いいね」が付くとモチベーションになりますよね。
北川 また、「ニュースサイトをやっていた会社が、中高生向けのサービスを違和感なく提供できる」という点にも、ByteDanceの高いセンスを感じています。
動画配信サービスの未来
サッシャ ByteDanceは今後、どんな事業展開をしていくと思いますか?
北川 ニュースアプリにもTikTokにも使えるような、応用性の高いアルゴリズムを持っているので、例えば料理動画の投稿サービスだったり、全く違う分野に進出していく可能性があると予想します。
私の専門分野ではないので、あくまでも想像ですが……スマホの時代になってからFacebookやTwitter、InstagramにSnapchatと、「ふだんの生活に密着したサービス」のヒットが続きました。これからも、生活の中の他の物事に、さらに浸透していくのではないか、と思いますね。
サッシャ 技術の進歩によってデータ転送量が増えていけば、動画配信もどんどん自由になってきていますよね。
そのうち、常時接続も難しくなくなっていくと思うので、ひょっとしたら「朝から晩まで日常生活を配信し続ける」なんてユーザーも出てくるのでは?
北川 まさにそういったサービスが、中国では使われているようです。世界的にライフログ動画を配信するブームが来るかもしれません。
サッシャ 動画配信もまだ屋内が中心かと思うのですが、データ通信技術の進歩によって屋外でもひたすら配信できたりしたら、面白くなりそうですよね。
例えば「タクシーで走っている道をずっと配信し続けたり」とか、「中学生の目線で学校の一日をずっと配信する」とか。
個人情報の問題はあるでしょうけれど、ユーザーが「ああ、今は社会の授業をやってるんだね」と思いながら観たりできたら面白そうです。
北川 そういうことができると面白いですよね。
サッシャ まだまだチャンスは眠っていそうな気がします。ぜひ日本企業さんにも、がんばってもらえるとうれしいですね。

今回のニュースをはじめとした北川さんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。

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